都市環境デザインのすすめ

人間中心の都市・まちづくりへ

中野恒明

2012.06.06(終了しました)


趣旨


なぜ日本の地方都市は魅力がなくなったのでしょうか。その一因は誤った都市計画や都市デザインにあるのではないでしょうか。私自身の反省も含め、そのように思わざるをえないのが現状です。
いまや時代の転換点を迎えつつあります。産業革命期の混沌を解決するための近代都市計画が世界の都市を大きく変えていきました。それに対し、現在、静かに進行しつつあるとされる環境革命、今回の東日本大震災はわが国の社会にその拍車をかけることになるのでしょうか。今こそ、
 1)住まいを重視し都心居住を誘導する都市計画への大胆な変更、
 2)自動車への過度の依存からの脱却、
 3)都市らしい文化・生活環境の再生
が求められています。

一方、欧米、特にヨーロッパの60年代から始まった都市計画の転換、再生のデザインには目を見張るものがあります。そして日本でも幾つかの実績が生まれてきました。
海外の手本を直輸入する愚は繰り返すべきではありませんが、世界の潮流を知らずに閉じこもり縮こまるようなことがあってはなりません。行政マンや専門家、そして都市環境デザインを志す仲間たちに、夢をとりもどして欲しいと思います。
そのような思いから、私はこのほど『都市環境デザインのすすめ』を上梓し、欧米の事例や、門司港レトロ、横浜、那覇など、私自身の取組を含めて紹介させていただきました。
本セミナーでは、その一部をご紹介し、会場の皆様と「都市の魅力づくりのための仕組み」をいかに再構築するか、議論できればと思います。

中野 恒明
 


セミナー会場でいただいたご感想

・Mさん(NPO)
 質問をさせていただきありがとうございました。

・Kさん(設計事務所主宰、社団法人)
 本を読んで参加しました。車をなくす方法を教えていただきました。社会実験にトライしてみたい。
 町をつくりなおすには、アイデアを実行に移すための具体的な方法論があると思います。法律、お金、政治力などの方面に関する知識が必要なのだと思います。そのあたりのお話をもっと聞きたい。

・Yさん(会社員)
 面白かったですが、もう少し苦労した点や困難への対処の仕方等をクローズアップしても良かったのではないでしょうか。
 基本的な話は分かりやすく、かつ基本的には同意したい内容なだけに、より異論が生まれるくらいの話の運び方をした方が盛り上がると思いました。

・Sさん(大学生)
 たくさんの事例を通して都市環境のデザイン、まちづくりの問題について、分かりやすく語っていただきありがとうございました。
 日本のまちなみの美しくない理由について、その解決について大学で学んでいますが、大きな都市から見た視点など新しい考え方を頂きました。

・Oさん(シンクタンク)
 久々に中野さんにお会いできました。
 今日のテーマは、これから大いに可能性があり、これからの方向だと思います。
 (私事ですが水辺再生、自転車まちづくり、コンバージョンを研究・活動・仕事にしています)

・Sさん(会社員、大学)
 日本の都市再生は感性・住環境ということを豊富な写真と具体的事例を交えてのお話は最高でした。

・Mさん(ジャーナリスト)
 都市再生というテーマではあまり話題に上らない英国の都市がいくつか出てきたのは新鮮だったが、年代から見て他の欧州諸国に先んじていたわけではなく、英国ならではの特徴についての言及もなかったのは残念。それ以外の話は、どこかで聞いたことばかりで耳を傾けようという気にはならなかった。
 ご自身が関わった門司港について、より深いエピソードが聞きたかった。
 今の日本で必要なのは「欧米は素晴らしい」を唱えることではなく、日本という都市再生が困難な場で、どうすれば突破口を開けるかを伝えることではないかと思う。とくに若い人に対しては、欧米礼賛と自分の作品自慢を繰り返すだけでは、正直言って誰もついて来ないような気がする。ワークショップ形式のほうが入り込みやすいのではないか。

・Iさん(大学院)
 地方都市をどう魅力的にしていくのか、活性化していくのか、そのヒントを沢山学べたように思います。また実現させるには、まちを魅力的にしていこうという市長か住民の強い意思が必要なのだなと感じました。
 特に、まちなか居住を進めるには、住戸の改修からやればよいというお話がとても新鮮でした。数々の事例でもそうですが、既存の手法や制度にとらわれない発想が大事なのだなと思いました。
 本日はどうもありがとうございました。

・Hさん(会社経営)
 「人間中心のまちづくり」への回帰ということは、「都市環境デザイン」への回帰という意味?(だとしたら、かつて「都市環境デザイン」が日本にあったということ?)
・帰りの夜行バスに間に合わないと大変なので、懇親会に参加できず残念
・参加費1,000円は割安感あり(片付けお手伝いできずに申し訳ありませんでした)

・Sさん(会社員)
 海外と日本の現状の姿がいかに出来上がってきたのかが良く分かりました。
 中野先生が、人と人との間に入って根気強く仕事をされてきた姿がとても印象的でした。もとは先生に出会い、仕事をしてきた自分ですが、このところは街づくりの仕事に携われず、少し残念な思いをしていました。この書籍を読んで、少し思い出せた気がしました。ありがとうございました。

・Yさん(大学生)
 たいへん豊富な実践例で分かりやすい、有益なお話でした。ありがとうございます。


□日時/場所/会費

○セミナー
 12年6月6日(水曜日) 18時00分開場、18時30分開演〜20時30分頃まで
 東 京 文京区シビックホール会議室1(3階)
  〒112-0003 東京都文京区春日1−16−21、後楽園駅、春日駅そば
 資料代(参加費) 1000円 定員 90人

○交流会
 近くの居酒屋等、講演終了後22時30分頃まで
 会 費 実費(3000〜4000円)
 


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A5変判・280頁・定価3360円(本体3200円)、2012年5月1日発売


中野恒明氏略歴

東京大学都市工学科を卒業後、槇総合計画事務所で槇文彦氏のもと、多くのプロジェクトに携わる。独立後、四半世紀にわたって門司港レトロの都市環境デザインや各地の現場に関わるなど、人びとに愛される都市空間づくりに貢献してきた。
現在、芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科教授、アプル総合計画事務所所長。
東京スカイツリーにかかる在京TV局候補地選定委員兼幹事長・同ネーミング選定委員としても知られる。



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