学芸セミナー

食と景観の地域づくり

小さな活動からネットワークへ

井上典子、染井順一郎、山田照夫、植野健治

2013.4.20(終了しました)


3月1日発売


趣旨


井上典子、染井順一郎さん
 日本の農山漁村は危機的状態にあり、その課題は単に経営の大規模化や観光化等によって乗り越えられる問題ではなくなっている。しかし、これらの地域が失われれば、日本各地に所在する食にまつわる物語が失われ、文化的な景観も同時に消えてしまう。食には風景があると言われるぐらい、私たちの記憶や体験と深く結びついている。だから、食の景観をなんとしてでも継承したい。
 そこで私たちは『食と景観の地域づくり』という本をまとめた。本では日本各地で実施されている食と景観に係るさまざまな地域活動について、自治体担当者の協力を得て地元の方々からお話をうかがい、その内容と思いを紹介した。
 そこでは核となる人物の存在や自治体職員の賢明な努力によって、地方自治体と、極小の、しかし、パワーあふれる地元の小さな活動との間には少しずつ連携が生まれ、地域的なネットワークに発展しつつある。
 しかし、それらを後押しすべき行政施策は6次産業化やグリーンツーリズムの施策が一部で実施されているものの、振興策は従来の枠組みを越えるものではなく、日本の各種制度は多様な地域活動をうまく支援しているとはいえない。
 一方で、厳しい地域間競争にさらされるヨーロッパ諸国においては、施策の枠組みは日本と類似しているものの、その運用手法には大きな差がある。やる気と実力のある地域活動主体が自らの力で事業を行い、少ない予算で効果を上げている。たとえばフランスの食の景観地、イタリアの食の博物館などである。
 今回の出版記念セミナーでは、このような問題の大枠を井上、染井から説明させていただき、実際に地域で活動されている網走の農家の山田照夫さんと、平戸市教育委員会の植野健治さんから生のご報告をいただきます。  奮ってご参加ください。

井上典子、染井順一郎

参加者のご感想


網走の牧場

平戸の棚田

平戸・今井さんの塩づくり工房

○Yさん
 食、景観のまちづくり。何もない地域を元気づける手法。参考になりました。

○Hさん(市役所)
 大変面白いお話を拝聴できたと思う。
 平戸市の事例は大いに興味をひかれた。

○Hさん(大学)
 興味深い内容でした。著書も読んだ来ましたが、よく分からないところがフォーカスされ有意義でした。とりわけ、生産地(生産品)は、文化遺産になるという言葉は、厳しい地域への勇気になると思います。

○Yさん(NPO)
 わかりやすくお話いただき、興味深く聞かせていただきました。有り難うございました。
 文化を考えるうえで食、産業、すべて繋がっていることを改めて実感しました。
 地域の個性が注目され始めた今、自分自身の生活に個性を取り戻すように行動したいです。

○Xさん
 たくさんある食材のなかで、生産量をあげる、安く、多くを目的とするものがある一方、山田さんの牛乳のように動物、山、川、海、そして消費者すべてをよくしたい。そう考えて取り組まれている地域、人があることに、すごく感心しました。

○Xさん
 いろいろな立場の方が一つのテーマで話されていて非常に興味深かったです。

○Kさん(財団法人)
 「食」と「景観」を結ぶミッシングリング@日本。
 これを解決することが「味の景勝地」への道筋かな。

○Kさん(財団法人)
 食と景観を結びつける情報が得られた気がする。

○Oさん(大学)
 テーマが非常に先進的でした。
 ユニークな食文化は世界的に観光の対象になりつつあるが、生産地の景観の持つ価値と、食べ物の持つ味覚の価値が融合することにより、新しい観光の価値が生まれる可能性を感じました。ただ、ここでの食とはFoodではなく、Gastoronomyであると思う。

○Kさん(市役所)
 興味深いお話、今後、考えていきたいことばかりでした。


□日時/場所/会費

 13年4月20日(土曜日)
 13時開場、13時30分開演〜16時30分頃まで
 京 都学芸出版社3階
       TEL 075-342-2600/京都市下京区木津屋橋通西洞院東入
       京都駅より徒歩約5分 お車での来社はご遠慮ください。

 会 費/1000円、定員70名(先着順)
 交流会/終了後、同会場で予定(1000円)、定員に達しましたので締め切りました

□主なプログラム

「消費者に選ばれる産地づくり〜味には風景がある〜」 染井順一郎
「食と景観の地域づくり、その広がり」 井上典子
 休憩(オーガニック牛乳試飲会※)
「日本初のオーガニック牛乳と鮭の遡上する景観」オーガニック牛乳生産農家 山田照夫
「世界遺産と食の地域振興」平戸市教育委員会文化遺産課 植野健治
「パネルディスカッション&会場との議論」
    ※山田さんの牛乳は、山田さんの牛乳は、京都の有名料理人達にもごっついうまいと言われた牛乳です。
     彼は「牛乳を煮詰めていく過程で、どんなエサを食べたのかわかる」と言っています。
     また平戸からはお土産に今井さんの「塩」がつくかも。

井上典子さん
1961年京都市生まれ。同志社大学文学部卒業、ローマ大学ラ・サピエンツア建築学部博士課程都市・地域計画専攻修了。Dottore di Ricerca(Ph.D.都市・地域計画)。民間企業を経て2004年より2010年まで文化庁文化財部記念物課文化財調査官。文化的景観保護制度における制度設計に関わるとともに、全国の文化的景観保存調査を担当。 著書に『風景の思想』(共著、学芸出版社)。

染井順一郎さん
1960年千葉県生まれ。千葉大学園芸学部卒業。北海道開発庁、農林水産省、外務省(在フィンランド日本大使館一等書記官)、国土交通省北海道開発局開発監理部開発企画官を経て農業と栄養士&技術士として活動中。
バルト海(フィンランドを含む)における海洋及び周辺陸域の環境保全と農業との関係について行った調査に基づき、網走川流域においてサーモンアクションプランを立ち上げ、サケを育む環境保全型農業による流域づくりを推進している。
技術士(総合技術監理部門・農業部門)及び栄養士


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食と地域づくりの本

なぜ美しく  ☆ 幸福な  ☆ フロンティア  ☆ 農商工連携  ☆ 食育


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