公開研究会

都市計画の10年と季刊まちづくりの10年

これまでとこれから

八甫谷邦明、樋口智幸、木下斉、高鍋剛/2014.7.7(終了しました)



趣旨

 季刊まちづくりは創刊から10年にわたって、「まちづくり」を発信しつづけてきました。しかし、この10年ほど「まちづくり」という言葉の使い手と意味が拡大した時期はありませんでした。季刊まちづくりは都市デザイン/プランニングの延長上にある、空間を中心とした地域社会のデザイン/プランニングとしてのまちづくりを切り取りました。しかし一方で、社会は一人一人のライフスタイルのデザインの中にまちづくりを組み込む方向に進化しました。この二つの関係をどのように捉え、そして、二つの違いをどう積極的に未来へとつなげていけばよいのでしょうか。
 この公開研究会では、季刊まちづくり編集長の八甫谷邦明さんから10年間の経験を振り返っていただいたうえで、まちづくりの今後の展望、まちづくりメディアの今後の展望を議論します。

公開研究会実行委員会

概 要

日時:14年7月7日(月曜日)
   18時30分開場、19時00分開演〜21時00分頃まで
場所:首都大学東京秋葉原キャンパス 秋葉原駅より徒歩約5分
会費:500円、定員50名(先着順)
主催:公開研究会実行委員会(秋田典子・内田奈芳美・桑田仁・杉崎和久・中島直人・益尾孝祐・真鍋陸太郎・饗庭伸)

主なプログラム

レクチャー 「『季刊まちづくり』から未来へ」
 八甫谷邦明さん(『季刊まちづくり』編集長)
1951年生まれ。専門誌の編集者・記者として『コンピュートピア』『建築知識』『造景』に携わる。『建築知識』編集長、(株)建築知識取締役となったのち、『建築知識スーパームック』を創刊。1995年、クッド研究所を設立し、代表取締役に就任。1996年、まちづくり専門誌『造景』の創刊に関わり、同誌副編集長に就任。現在、『季刊まちづくり』編集長。主な著書『まちのマネジメントの現場から』。

公開討議 「都市計画の10年と季刊まちづくりの10年/これまでとこれから」
 樋口智幸さん(記者/日経アーキテクチュア)
 木下斉さん(一社)エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事、一般社団法人公民連携事業機構理事)
 高鍋剛さん(都市計画プランナー/都市環境研究所)
 八甫谷邦明さん(クッド研究所)
 司会:饗庭伸(首都大学東京)


参加者アンケート

○Sさん(設計事務所)
はじめに定義した課題(地域マネジメントの中心は?など)の結論があいまいだったのが少し難しさを感じましたが、刺激のある時間でした。

○Mさん(NPO)
阪神淡路大震災の大きな反省に立って20世紀末〜21世紀初頭のまちづくり・都市計画はそれなりの歩みを進めてきたと思っていた。
都市計画に係る専門家たちも戦後のまちづくり・都市計画を省みつつ、きちんと軌道修正してきたと思っていた。
それでも東日本大震災に直面して、根本から戦後のまちづくり・都市計画のとってきたスタンス、進んできた道に誤りがあると自覚せざるを得ないところにあると感じている。
木下氏のテーゼが全て正しいのかどうか今の自分には判断がつかない面があるが、都市計画家を自認する専門家たちは、自分たちの専門性の何がどのように社会に資するのか、今、根本から見つめ直す必要があると感じている。
刺激的な研究会でした。ありがとうございました。

○Sさん(学生)
「これまで」と「これから」に焦点をあてたイベントは、私たち学生にとっては将来を考える上で非常に勉強になります(大学ではあまり触れてくれないので)。またやってください。

○Mさん
とても刺激的でした。

○Tさん(コンサル)
いろいろなメディアに散りばめられているという話は納得がいくとともに、これからの10年に向けてのポイントかと思います。

○Mさん
まちづくりの概念(捉え方)が変化してきたという話が冒頭にありましたが、皆さんの話を伺っていると、それぞれの方のまちづくりの定義づけ、示す領域(大小含め)の違いがあるため、少し対立する話となりました。
しかし、公共性、参加性、代表性といった観点で、最後に話にあったように、総合的にはどれも必要な視点・要点に思いました。
それらを上手に束ね、采配し、つなげる(総合的な視点をもった)存在が、まちづくりに必要と思いました。

○Hさん(出版)
「都市計画」と「まちづくり」が置かれている状況が大変よくわかりました。
このようなセミナーがあれば、ぜひ次回も参加させていただきたいと思います。

○Aさん(コンサル)
前田さま、八甫谷さま、このような機会をもうけていただき、大変ありがとうございました。
今回は、都市計画側からすると耳の痛い話が木下さんから出されましたが、それが現実だと思いますので、受け止めていきたいと思いました。

○Hさん(独立行政法人)
季刊まちづくりはずっと読んでいたので残念です。メルマガのような形でもよいので、続けて欲しいです。

○Nさん(研究者)
大変おもしろい会でした。こういう忌憚のない話合いがいろんな場面で広げられるといいなと思う。もう少し様々な立場の話が拾えるといいなと思いました。

○Sさん(研究者)
『造景』が出たときに、1995年を境に考えていたことが議論されたような気がしました。

○Iさん
予定調和ではない発言をする人がいるとたいへん面白い。木下氏の話は有意義だった。弊社は「まちづくり」の邪魔をしている(であろう)企業なので、心していきたいと思う。

○Aさん(コンサル)
この手のものに出るのはほぼ初めてだった気がするが、刺激的な内容でよかった。
こういうセミナーにこれからも少しは参加したいと思った。木下氏の話が痛快だった。

○Sさん
刺激的でした。しかし、木下氏と他の出演者の議論がかみ合わなかったように思います。

○匿名さん
都市計画を学んだものとして、社会に対してどうアプローチしていくか具体的に考えていく良い機会となりました。

○Mさん(設計事務所)
制度疲労した都市計画のオルタナティブや本当の計画力を発信していくことが大切だと改めて思いました。

○Aさん(行政)
登壇の皆さんの非常に鋭い考えは興味深く聞いておりました。
都市計画・まちづくり・地域マネジメントと様々なことができましたが、中心を担う人材(専門家)が不在であった(官僚的)のかと思いました。
木下氏のマネジメント論は、聞き耳は鋭いですし、正論ではあります。ぜひ今後も建築学会なり都市計画学会などで吠えていただければと思います。
私も反論できずにおりましたが、ぜひ登壇者は木下氏の論弁に負けることなく反論していただきたかった(この若造が!とか言っていただければよかったかと…)。
専門メディア『季刊まちづくり』の記録は、ある意味時代を判明させたもので、その意義はあったと思います。今回の場の議論を乗り越えた新しいメディアとして、再登場していただければと願っております。

○Kさん
私はこの分野とまったく関係のない人間で、単なる「市民」「住民」です。
旅行が好きで、各地をまわる中、まちづくりや都市計画の失敗例をたくさん見てきました。そして、その失敗を隠す、逃げる自治体や建築家、まちづくりや都市計画の方々…(まぁ仕方ないのかもしれませんが、成功例しか言わない)。
そのため、木下さんの意見に賛成です。ズバっと言ってくださり嬉しいです。
もう少し、自分のお金ではなく、住民のお金を使っているということを自覚し、責任を持ってやってほしいと思います。
他人が頑張って稼いだお金を無責任に使って、頭の良い自分のおかげと踏ん反り返って、うまくいかないと逃げる人が多すぎます。少なくとも逃げないくらいの覚悟を持ってやってほしいです。
もちろん木下さんだけでなく、他の講演者の方々のお話もとてもおもしろかったです。
ありがとうございました。

○Tさん
「まちづくり」という概念の終焉と、次の方向性が見えてきた気がします。
建築と土木の切り分け自体がすでにナンセンスなのではないかという気もした次第です。

○Oさん(コンサル)
学生時にまちづくりを志した時から『造景』を教科書に知識を蓄え、実践に生かさせていただきました。
就職してからは業務が再開発ということもあり、自分がいるところ、自分がやっていることの距離もはかる指標となっておりました。
大変淋しいですが、どうもありがとうございました。

○Iさん
編集長の想い、雑誌の価値についての講師の主張は十分に伝わりました。
Kさんは予想以上の暴走でやや残念。いくら若いとはいえ、相互理解をしてほしい。与党と野党の対決ではないけど、批判するだけなら簡単ではありませんか?
マネジメントも時間によっては無責任に陥りますよ(しょせん経営感覚といっても、できました、はいさよなら、と直後に失速した君津そごうのような失態もありますよ)。

長い間ご愛読有り難うございました

『季刊まちづくり』は42号(14年4月発売号)をもちまして休刊とさせて頂きました。
読者の皆様、ご執筆いただいた方々、取材に応じていただいた皆様に深く感謝致します(学芸出版社&クッド研究所)
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