学芸セミナー@京都

実践する自転車まちづくり 役立つ具体策

古倉宗治、大槻紘平、街道 亙

2014.7.12(終了しました)


趣旨


古倉宗治著
 2012年の「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」(国交省・警察庁)によって、「自転車は車道を走る」という原則への復帰が各地で本格化している。
 しかし市民や行政の間に「車道は危険」という誤った認識が根強く、施策の実現への壁は大きい。
 ではどのようにすれば車道走行に重点をおいた自転車利用を推進できるのか、これをハードとソフトの両面から明らかにするため『実践する自転車まちづくり』をまとめた。
 本セミナーでは、そのキモとなる部分を示すとともに、京都や奈良で様々な実践に取り組んでおられる方々に報告いただき、議論を深めたい。

古倉 宗治


放置自転車を美しく解決するビジネス(土井勉氏提供)
 

旅館ホテル等の部屋に自転車の持ち込みができる(奈良県HPより)
 

□日時/場所/会費

 14年7月12日(土曜日)
 14時00分開場、14時30分開演〜17時15分頃まで
 京 都学芸出版社3階
       TEL 075-342-2600
       京都市下京区木津屋橋通西洞院東入
       京都駅より徒歩約5分 お車での来社はご遠慮ください。

 会 費/1000円、定員50名(先着順)
 交流会/終了後、近くの居酒屋で懇親会を予定、当日実費精算

□主なプログラム

講演
・実践する自転車まちづくり
     −−古倉 宗治((株)三井住友トラスト基礎研究所研究理事)
報告
・放置自転車が消えていくエコステーション21
     −−大槻 紘平 ((株)アーキエムズ)
・「奈良県自転車利用促進計画」の概要と取り組み状況について
     −−街道 亙 (奈良県)

会場との質疑&意見交換

当社会場から40mほど西。下京区役所にそって南(京都駅側)に曲がると下京区役所前エコステーション21がございます。まだ見かけたことがない方は、ご覧ください。会場1階にお立ち寄りいただくとパンフレットもございます。


□参加者からのご感想(アンケート)


会場風景
 

○Oさん(保険)
 自転車利用促進によるまちづくりの活性化を目指す、とても良い取り組みだと思います。
 自転車の可能性を感じた機会となりました。

○Iさん(駐輪場関係会社)
 古倉氏の話がとても興味深く、私は日々業務のなかでデータをとったりしているので、駐輪場運営管理でも、このようなデータを元に5年後、10年後のニーズに合わせていきたいと思います。
 ルールとマナーの教育が大切だと思います。

○Mさん(駐輪場関係会社)
・自転車レーンの重要性がよく分かりました。日本ではまず意識の革命が必要だと思います。道路が変わっていけばと思います。
・駐輪場は自転車を利用される方の意見を無視できませんが、合わせすぎるのもよくないと思います。老若男女が利用する自転車ですので、利用形態に合わすのではなく、管理する側がしっかり提案すべきだと思います。
・ルールとマナーの浸透を望みます
・道路をサインの設置などで、視覚から変えていくことが有効と知りました。
 自転車利用者向けサインの構築は今後の課題ではないでしょうか。
・話題が多くありますが、誰が主導で何をいつまでやるかを決めていかなければならないと思いました。

○Nさん(駐輪場関係会社)
 各論による施策がそれぞれ実施されることは必要なことではあるが、たしかに総論(哲学)に基づいていないものが多々お見受けするなと気づかされました。
 古倉先生のご説明で改めて日本の現状を理解できました。
 自転車まちづくりについて、より良くなるように取り組んでいきたいと思います。

○Tさん(駐輪場関係会社)
 自転車走行空間の整備が全国的にも進んでいるが、何のために整備しているかが浸透していないため、まだまだ通行されることが少ないと感じています。
 事故発生率について車道が多いという誤解があると思われ、今後、車道通行の目的を正しく理解し、より多くの方が知り、当たり前になるような状況にすることが課題であると感じている。

○Gさん(駐輪場関係会社)
 他国にたいして日本の自転車の位置づけの弱さ、またそれを上げていくことの大切さを感じました。放置対策、駐輪空間に関する施策を行うなかで、自転車の活用、重要性を上げる取り組みも重要であると感じました。
 自転車に乗っていると車道を走るのは恐怖を感じることがありましたが、実は歩道での事故が多く危険であることに驚きました。自身と同様にそのような思いから歩道を走り、大丈夫だろうという油断から事故が発生するのだろうと思います。
 自転車の重要性をあげる意味でも正しい乗り方、危険性をしっかり知り、伝えていくことが大切なのではないかと思いました。
 今回のセミナーはとてもためになり、自分自身の自転車との向き合い方を改めて考え直すきっかけとなりました。

○Iさん(大学)
 今回は自転車が車道を走る安全性について非常に参考になる意見が聞けてよかったです。
 今の現状は自転車を乗る方がルールを守らないというお話でしたが、その状況下で自転車を車道に移すのはまだ危険であると考えます。ルールを守る道づくりが必要じゃないかと思いました。

○Yさん(市役所)
 自転車を取りまく現状と課題について、いろいろな側面からのデータを見ることができて良かった。
 自転車レーンが自転車道より事故減に効果的であるという事例は意外であった。
 また(株)アーキエムズのパーキングが、最初○分無料運営をして業績をあげているのは意外であった。
 発想を変えてみると、今までにない施策が生まれることが分かった。

○Yさん(民間会社)
 奈良県の発表ははじめて聞けました。サイン計画は担当していましたので、より分かりやすく思いました。
 自転車活用は全国で多数計画されはじめ、関西だけでも十数カ所。ただ自転車も軽車両となるわけで歩行者との事故の加害者となったとき、自転車のルール、マナー、そして自転車ドライバーとしての自覚を上げるセミナーも間にいれると良いと思います。

○匿名さん
 京都市内の自転車事故事情なども盛り込んだ話が欲しかった。
 (市内で自転車レーンがタクシーやバスのため使えない現状など)。

○Kさん
 本日は有難うございました。
 私自身、自転車に乗る機会が多くなり、参加させていただいたのですが、ルールやインフラ装備がまだまだと感じております。
 一人一人の認識が社会を大きく変えると思いますので、まず車道を走るという簡単なことを徹底していきたいと思います。

○Tさん
 思っていたより大きな視点での議論だと感じました。
 地域の企業、あるいは個人がいかに自転車を日々の活動に取り込んで活用するかに興味があります。
 今後、もう少し地域の人が参加できる自転車を通じた地域の活性化をテーマに講演してもらえればと思いました。

○Iさん(大学)
 自転車政策について
・日本では総論(理念)の占める割合が数%(〜10%)に止まっている。
・外国では割合が何%ぐらいなのか。
 私の想像では各論以上の割合ではないか。
 (例)ハンブルグでは自家用自動車の分担率47%から24%への低下を目標としている
・なぜなのか? 私の考えは自家用車依存度を下げる施策になっている
・その理由として液状の化石燃料資源に関する近い将来の枯渇(オーストラリア政府は2017年以降)の可能性を共有しているのでは
・このため多くのEUの都市では自家用自動車に便利な都市から不便な都市へパラダイムシフトをはじめている
・具体の方策としては(1)自動車レーンを減らしLRTを新設、(2)道路割合を減らす(40→24%)、(3)課金制度、(4)Home Zone(自動車の乗り入れ制限ゾーン)の設置、(5)ベリブのような自転車レンタルシステムの設置と充実、(6)ベリブとLRTをセットで利用促進をはかる、(7)アスファルト舗装をはがして石畳に戻す、(8)多様なモデルの自転車をベリブに供給する(高速でも走れるようにする、音で周囲に注意を促す)、(9)平面の駐車場を設けない(ハンブルグのHaten Cityはコンサートホールの駐車場を除き、駐車場を設置しない)、(10)公共交通機関への自転車の持ち込み。
[奈良県の発表について]
1)レンタサイクルのステーションは何カ所か
2)レンタサイクルは何台運用されているか
3)公共交通機関への自転車の持ち込みは可能か
4)奈良カードを発行すれば
  下記をつけて1日券で3000円、2日券で5000円、3日券で6000円。
 例)
 ・奈良の一定ゾーン内の公共交通機関の無料パス
 ・定期観光バスの無料パス(2時間コース)
 ・美術館・博物館の無料パスまたは大幅な割引(30〜50%)
 ・寺社への割引入場券(20〜30%)→これは難しいか
 ・1日レンタサイクル利用パス
 (・関空へのJRの10%割引)これで宿泊数の増加が可能か

○Hさん(大学教員)
 古倉先生のご高著は1冊目も拝読させていただきましたが、今回の2冊目では、法制や多くの関連事業にも広く目配りされ、内外各地の新たな動きも踏まえ、さらに実践的な提言、助言が多数織り込まれていますので、行政実務、市民活動、学術研究などそれぞれの立場から利用価値の高い一冊だと思います。
 「自転車そのものを目的とする自転車政策」をさらに推進するうえで、その支えとなるような「手段としての自転車政策」のテーマと焦点の絞り方について質問させていただきました。  同書でいえば、第2部(第4〜7章)全体のまとめとして、どのように政策間のバランスや重点を考えていくべきかという点なのですが、古倉先生からいただいたコメントも参考に、引き続き自らも考えてみたいと存じます。
 アーキエムズの大槻様のお話は、明快に整理されたプレゼンで、同社が目指しておられる方向がとてもよく分かりました。今の姿に至るまでの、とりわけ初動期のご苦労は並大抵のものではなかったことと存じます。利用者の心理をよく読まれて実際的な戦略を採られているところも参考になりました。
 奈良県の街道様のお話は、広域自治体の自転車政策担当者ならではの悩みと工夫をご紹介いただき、興味深く存じました。「あくまで個人的意見」と前置きされましたが、介護予防との連携などが県レベルの施策として具体化されていくことが期待されます。



古倉宗治著『成功する自転車まちづくり〜政策と計画のポイント』好評発売中
 
古倉 宗治さん
1950年生まれ。
1974年東京大学卒業。建設省、東京工業大学助教授、(財)民間都市開発推進機構都市研究センター、(株)土地総合研究所等を経て、2008年から(株)住信基礎研究所(現在、(株)三井住友トラスト基礎研究所)研究理事。
京都大学大学院講師(公共政策大学院及び法科大学院)、麗漂大学経済学部客員教授その他の講師。国土交通省・警察庁「安全で快適な自転車利用環境の創出に 向けた検討委員会」、警察庁「自転車の交通ルールの徹底方策に関する懇談会」、国土交通省「都市交通としての自転車利活用推進研究会」、環境省等の国の委 員会や、奈良県、鳥取県、川崎市、宇都宮市、姫路市、立川市、浦安市、茅ヶ崎市、上尾市等の地方公共団体の自転車関係の委員会に参加。
博士(工学)、学位論文「自転車の安全・快適・迅速な走行空間の確保及び利用促進のため のソフト面の施策に関する研究」。主な著書に『成功する自転車まちづくり 政策と計画のポイント』(学芸出版社)


『実践する自転車まちづくり』14年8月1日発売予定、3200円+税

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