著者のご紹介


■自己紹介とスイスバウビオロギー協会のこと

 はじめに自己紹介をいたします。私は多摩美術大学で建築修士号を取得後、ミラノ工科大学とチューリッヒ連邦工科大学で近代建築を学び、そのまま、当時受講していたチューリッヒ連邦工科大学の教授エラルド・コンソラッショ(ティチーノ出身でアルド・ロッシから学んだスイス人)の個人の建築事務所で3年実務経験をつみ(その間に、スイス人と結婚)、その後、エコロジーが浸透しているスイスドイツ語圏の独特の建築方法〈バウビオロギー〉と出会い、BIOWATTというチューリッヒの住宅専門の建築事務所に建築家として3年働きました。
 その間に、会社とスイスバウビオロギー協会から、バウビオロギーについて特別の講座を受け、実務に徹したノウハウを身につけました。残念なこと、BIOWATTはスイス全土に広がった建築業界不況の波をうけ、倒産申告をしました。しかし、私個人にとっては、業界の構造、問題点などを知るよい機会でした。というわけで、私もサバイバルしなくてはいけないので、スイスバウビオロギー協会(GIBB=Genossenschaft Information Baubiologie)の会長ボスコ・ビュラー氏(Herr Bosco Bueler)から、GIBBの出版物からのデータ、数字、ディテールなどの転載許可を正式にいただき、ここにバウビオロギー日本版の本が完成しました。以下、本文中のデータ、数字、ディテールは、スイスバウビオロギー協会からの信頼度の高いものであります。特に、できるだけ具体的な比較検討方法や、エコロギーという目に見えない計算方法など、わかりやすく説明しました。

■この本について
 リオデジャネイロの地球環境会議から、ずいぶんと時間が過ぎましたが、何がどう変わったのでしょうか? すべて平和的な話し合いで国際基準を設定し、それを全世界におしつけることができるのでしょうか? デモクラシーを正義に、西洋人的な方法が先行しているのではないでしょうか? と、いうような視点からも、GIBBのデータを単に外国のデータ(スイスのデータは、ヨーロッパの手本になるデータといえる)として軽視せず、他国ではどこまでの範囲を計算に入れているかを知る意味や、日本的生活用式に必要なものと、そうでないものを選択する意味でも、興味深いデータであると思います。
 それに平行して、単なるデータ集にならないように、エコロジーの哲学にもふれ、各エコロジーテクニックを総括する位置におきました。教科書的な多少退屈な文章になりましたが、テクニックだけが先行する今日において、その是非を問い直す意味でも必要であると判断して説明してみました。御一読下されば幸いです。
 地球をとるか人間をとるか……、一概には答えられない問いです。時間と共に大きく変化しつつあります。コンプロミス=妥協できる点をみんなで探さなくてはいけません。白か黒かよりも、その過程でなにが大切かを判断できる事の方が重要です。その点においては、大国と小国の入り混じったヨーロッパで多くのことがシミュレーションできます。10年のヨーロッパ生活のフィードバックとして書いたこの本が、何かの判断材料の下じきになったとすれば、このうえない幸せです。



  • バウビオロギーとは

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