歩いて暮らせるまちづくり推進会議は2000年に発足した組織で、 今年で6年目になります。 当時、 建設省(現国土交通省)が募集していた「歩いて暮らせるまちづくりモデル地区」に、 京都市が手を挙げて、 モデル地区のひとつに選ばれたことが発足のきっかけでした。
歩いて暮らせるまちづくりをテーマに、 地域の皆さんが集まって、 まちづくりの方向を考えるという取り組みをやってきました。 京都市も、 京都都心の田の字地区を職住共存の地区と位置づけて、 これまでの開発一辺倒から、 まちなかの暮らしを守る方向に政策転換してきました。
他のモデル地区の多くは、 国の補助金が出た1年間だけの活動で終わってしまったと思います。 しかし、 京都市の場合は、 折角の活動がそのまま消えてしまうのはもったいない、 国や市の予算がなくても続けていこうということで、 今日まで続いています。
「歩いて暮らせるまちづくり」は緩やかな概念であるため、 皆がそれぞれ様々なイメージを持っています。 しかし、 それ故に、 様々な立場の人々が、 自己主張をし過ぎることなく、 緩くまとまる一つのキーワードとなっています。 性急に京都のまちなかの方向性や適用する手法を考えるのではなく、 皆が各地域、 各団体でやりたいことをやろうということで続けてきました。
例えば、 本能学区は染めの職人のまちなので、 「おいでやす染めのまち本能」というタイトルで、 染めの工房めぐりを行っています。 明倫学区では、 明倫幼稚園の向かいの旧明倫小学校が、 京都芸術センターになったこともあり、 お茶会やコンサートなどを中心とした文化祭を行っています。 また、 「姉小路界隈を考える会」や「三条通を考えよう会」「京都錦市場商店街振興組合」などの、 通りや商店街を中心とした活動も行われています。
活動も6年目を迎えて、 色々と話をしているうちに、 そろそろイベントだけの組織ではなく、 各地域が抱える問題や共通課題を整理しようという意見も出てきました。
皆さんも歩いてみられて分かったと思いますが、 狭い街路に車が沢山通っています。 一方で、 マンションが増えて住民も多くなっています。 そのため、 子供や高齢者の交通安全が大きな課題となってきています。 また、 小売店、 飲食店の方からも商売上、 歩行者が多い方が良いという意見も出てきています。
このように、 まちなかの交通安全と同時に、 地域活性化のためにも歩いて暮らせるまちにしていきたいという方向が具体的に意識され始めています。
歩いて暮らせるまちづくり推進会議の対象区域とほぼ同じ区域が、 ひとつの小学校区に統合されています。 そこで、 今年はPTAの方々と子供の交通安全をテーマに、 具体的な取り組みを始めているところです。
以上が、 歩いて暮らせるまちづくり推進会議の概要です。
歩いて暮らせるまちづくり推進会議とは
歩いて暮らせるまちづくり推進会議事務局長 河野泰
歩いて暮せるまちづくりの対象地域、ベースはYAHOOより
その中でも、 毎年11月に「まちなかを歩く日」というイベントを行っています。 9つの元学区のエリアを対象として、 様々なイベントを繰り広げています。
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